村中 李衣さん 著作の紹介

第59回夏のつどいで講演予定の、村中李衣さんの著作を紹介します。

絵本の読みあい

『読書療法から読みあいへ「場」としての絵本』(教育出版1998年)
読みあいは「絵本の中から湧き上がるものがたり(絵もことばも含めて)に、読み手のものがたりと聞き手のものがたりが加わり、重なり合い、その豊かな深まりの過程を感じ取ることができるということ」。
小児病棟での読みあいに始まり、家庭(母と子、父と子)、老人保健施設、夫婦(不登校の子どもを抱える親や、子育ての終わった夫婦)と、様々な場所で読みあいを行った様子、読みあいを実践していくにあたってのQ&A、読みあいに試してほしいブックリストなどがトータルに書かれている。

 

『子どもと絵本を読みあう』(ぶどう社2002年)
『お年寄りと絵本を読みあう』(ぶどう社2002年)
『絵本の読みあいからみえてくるもの』(ぶどう社2005年)

 

『女性受刑者とわが子をつなぐ絵本の読みあい』
(編著:村中李衣著:中島学かもがわ出版2021年)
小さな子どもを残して刑務所に入っている受刑者たちとグループで絵本を読みあいをした記録。回を重ねる中で、参加者たちは育ち直したり、子どもとの関係を結び直したり直視したり、ということが起こってくる。村中さんの愛情ある見守りから、そんな力を得ていく受刑者たちの記録。
なお、同様の取り組みを男性受刑者ともされており、その様子はテレビ(NHK)でも何度か取り上げられている。番組では、読みあいの様子、参加した受刑者への取材が紹介されていた。

 

 

エッセイ

『こころのほつれ、なおし屋さん。』(クレヨンハウス2004年)
学生への授業の記録。関係を築くための様々なプログラムを授業の課題として実践し、生徒たちの行動や心の動きをつづる。

『哀しみを得る看取りの生き方レッスン』(かもがわ出版2017年)
家族の要であったご自身の母親を看取る中で起こった出来事、生活や家族関係の変化、心の変化をつづる。

 

絵本

『はだしであるく』(絵:石川えりこあすなろ書房2022年)
『こくん』(絵:石川えりこ童心社2019年)
『いちごハウスのおくりもの』(絵:えがしらみちこ世界文化社2022年)
『小さいベッド』(絵:かみやしん偕成社1984年)
『よるのとしょかんだいぼうけん』(絵:北村裕花BL出版2015年)
『かあさんのしっぽっぽ』(絵:藤原ヒロコ童心社2014年)

 

児童文学

『チャーシューの月』(絵:佐藤真紀子小峰書房2012年)
『たまごやきとウインナーと』(絵:長谷川集平偕成社1992年)
『あららのはたけ』(絵:石川えりこ偕成社2019年)
『奉還町ラプソディ』(絵・石川えりこBL出版2022年)

 

ブックコミュニケーション

『はじめよう!ブックコミュニケーション響きあう教室へ』
(著:村中李衣伊木洋金子書房2019年)

読みあいの考え方を小・中学校の教室の、本を囲む時間に応用したものがブックコミュニケーション。
生活の中で気づいたことを、教師という立場にしばられず子どもたちに自由に語りかけることによって響きあいが生まれてくる。
小学校、中学校のそれぞれ、月毎に本の提案とコミュニケーションのヒントが記されている。