日本親子読書センター創立宣言

1967年(昭和42年)4月16日

一冊の本、ひとつの作品を、親子が読みあって、そこに描かれた世界や人間について語りあい、思いを交流しあう親子読書は、もともと家庭という個別的なわくの中での教育、文化的な営みであります。

しかし「わたしの子ども」は、同時に「わたしたちの子ども」であるとすれば、個人的なものの中にとどまっていることはできません。

悲惨と荒廃の戦争をくぐって、親となった「わたしたちの世代」は日本の歴史の中で、どの世代の親よりも、かつてないほど、親であることの意味と価値を問われていると考えます。

だからこそ、わたしたちは、次の世代に何をこそ托すべきかを真剣に追求しなければならないはずです。

親と子が、心を交わしあう親子読書は、この社会のこころの土壌を静かに深く耕すことです。

日本親子読書センター」は、この個別的な営みに、教育文化運動としての形態を与え、より深く、より広くしていく連帯としての鍬をとりたいと思います。